半島の二つの国家の間で発生した砲撃戦について、わが国のメディアは朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)非難一辺倒です。「狂気の沙汰である」と。
たしかに、わが国のメディアが伝える情報によれば、かの国は「権力の世襲」、「個人崇拝」、「大韓航空機爆破」、「拉致」など常軌を逸しているかのような振る舞いを重ねています。
しかし、待てよ。
「世襲」といえば、わが日本国でも、あの小泉のところの4代目を始め少なからぬ代議士が世襲だし、「個人崇拝」も北朝鮮に限ったことではない。「拉致」などテロは許しがたいことだが、じゃあ米国が中東からグアンタナモへ何人もの人を「捕虜」と称して連れ去ったのは拉致ではないのか、ということになります。
もちろん、他でもやっているから、というのは理由になりませんが、しかし、北朝鮮だけを非難するのはなんだかなあ、という気がしないでもありません。
そんなわけで、今度の軍事衝突。
よくよく考えてみると、米国は、ちょうど今、半島西側の黄海で大韓民国と合同軍事演習をしているんですね。
これは、北朝鮮にとっては、例えてみると、町内会の権勢並ぶもののない大ボスが、自分になびかない人物の自宅の庭先で、子分を引き連れてこれ見よがしに示威運動している、というようなものになるのではないでしょうか。これって、示威運動されている当の人物にしてみればいい気分のものじゃありませんよね。
気弱な人なら、これで降参するのでしょうが、そこがそれ「狂気」な人のこと。「なにおーっ」というわけで大胆不敵にも石を投げつけた、とまあ、こんぐあいなのではないでしょうか。
繰り返しますが、だからといって北朝鮮のやり方を支持しているわけではないのですよ。わが国の報道機関と称するものが伝える見方とはべつの見方もできますよ、と申し上げてるわけでして、そこのところは誤解のないようにお願いしておきます。
ところで、あらためて申すまでもなく、北朝鮮は、たとえ指導者が無道な人物であろうと、あるいは国民を苦しめていようと、国際法上認められたれっきとした独立国です。一地方に盤踞する野盗山賊のたぐいではありません。当然、独立国としての自衛の権利を持っています。
おまけに、町内会の大ボスは、過去に勝手に他人の家に上がり込んでやりたい放題したあげく、その家を滅ぼしてしまった前歴の持ち主です。
そんな例を見せつけられている誇り高い独立国としては、座して死を待つより、たとえ勝算はなきに等しくとも、乾坤一擲、打って出ようという気になったとしてもおかしくはないでしょう。
ちょっと前、わが日本国も、大日本帝国と称していた頃、同じようなことを言いながら町内会の大ボスと一戦構えたのではなかったでしたっけ。
さてさて、昔の人はいいことを言いますよ。「一寸の虫にも五分の魂」ってね。
かの国を虫に例えては失礼かとは思いますが、あの町内会の大ボスに比べれば誰だって虫けらのようなもの。しかし、だからといって、なにをしてもいい、なにをされても黙っていなくちゃいけないってことはありません。
「窮鼠猫をかむ」とも言いますな。
あんまりね、力を笠に着てね、小さいものを追いつめるもんじゃありません。
お天道様の罰が当たるよ。
[付け足し]
屋山某?という産経新聞御用達の評論家が、「これで小沢一郎の国連中心主義は破綻した。日米同盟を堅持しアメリカに依存して安全を守るしか道がないことが明らかになった。」などと言う。いや、お待ちなさいな。明らかになったのは、あなたの頭の悪さであって、それ以外ではありませんよ。だってそうでしょう。あなたが頼りにしなくちゃあいけないとおっしゃるアメリカは、あんな小国(失礼、アメリカに比べればということです。)一つあしらうことができずに右往左往しているではありませんか。
そんなアメリカに依存する? バッカじゃなかろうか。
こんな程度の人物でも「評論家」と称して飯を食っていけるとは、わが日本国はおめでたい国でありますな。ありがたいことです。