初冬の高尾山

初冬の一日、初めて高尾山に登った。

東京西部の小学生は遠足で、高尾山か天覧山に登る。昔はそうだった。今は知らない。どちらの山かは最寄りの鉄道路線による。中央線より北なら天覧山、南なら高尾山。筆者は幸か不幸か北だったので天覧山。で、今に至るまで、世界的に?名高い高尾山には登ったことがなかった。麓の鉄道・一般道・高速道路は何回となく通過したが。

今回は、ケーブルカー利用で、高尾山から小仏城山を経て景信山への、小規模ながらも縦走。

ここが、観光地としてたくさんの人を集める理由がよくわかった。第一に交通の便が良い。麓まで都心からの鉄道線路が来ている。ケーブルカーで標高470mまで登ることができて、599mの山頂まで100mちょっとの山登り気分を味わえる。第二に、山頂付近からの眺めが良い。東の都心方向、南から西にかけて相模湾と富士山。これで、人が集まらなかったら、逆にそのほうがおかしい。眺望は自然現象だから天に感謝するしかないが、交通の便の方は人為による。京王電鉄の環境整備。

山歩きと、その観光地としてのありようの観察と、二つながら面白い経験だった。

一つ苦言。ケーブルカーで、交通系電子マネーカードが、改札口ではもちろん券売機でも使えず、窓口に駅員さんを呼び出してしか使えないこと。世界的に有名な観光地を標榜するわりには整備不十分。日本語の読み書きができる自分でも戸惑ったくらいだから、外国の人はこまるのではないかな。せめて券売機で電子マネーが使えるようにする程度のことはたいした投資額ではないと思う。ケーブルカーの親会社は京王電鉄なのだろうが、利用客の快適性向上に力を入れている会社にしては、抜けていやしませんかというところ。

晩秋の奥多摩・三頭山

10月下旬、奥多摩三山の一つ、三頭山に登ってきた。多く”みとうさん”と読むが、みどうさんとも。近接してピークが三つあるのでその名がついたという。最高は中央峰1531mで三角点もそこにあるが、東京都が建てた御影石の立派な山名標柱は西峰1525mにあり、自分を含めた登山客はそこを頂上とみなして昼食休憩などをとる。見晴らしもよい。

東京都の奥多摩周遊道路、檜原都民の森駐車場(標高約1000m)を出発して、ゆっくり歩くこと約2時間で西峰。あのCANPINGAZキャンピングガスのバーナーでお湯を沸かしてインスタントラーメン。たっぷり1時間休んで、下山。途中、この先、勾配が急だからこちらへ回れという都民の森管理事務所の親切な忠告掲示を無視して、計画どおりに同事務所謹設”ブナの路コース”を下りていったら、ホントに急坂でした。でも、無事出発点に戻ってありがたし。

上の写真は東峰1528mの展望台から都心方向を見たもの。遠方の山、左端が御前山、そのやや右のピークが大岳山。頂上付近はすでに葉が落ちているが、中腹は紅葉が見事。今回の山行きで、三つの山の位置関係がわかったのは収穫だった。

久しぶりの山登り

この秋、思い立って、数十年ぶりに山登りをした。
山に耐えられる気力と体力があるのか、見当がつかないので、標高差が500メートル以内、片道2時間以内の歩行という条件で、奥多摩の大岳山を選んだ。ケーブルカーで標高800メートル超の山頂駅、そこから武蔵御嶽神社を経て標高1266メートルの山頂まで往復の行程。帰りもケーブルカー使用。
山頂駅から神社までの坂道でまずあえぎ、芥場峠に至る急坂で登れるのかと弱気になり、大岳神社下と山頂直下の岩場に怯んで引き返そうか考えたりしながら、なんとか頂上へ。

初冬の大岳山山頂

無事、目標どおり山頂を踏むことができ、途中、苦しかったが、また楽しくもありで、2週間後の11月下旬に大菩薩峠行きを計画。
標高約1600メートルの上日川峠まで車、1897メートルの大菩薩峠を目指す。上日川峠の駐車場から見上げる大菩薩の稜線の木々が霧氷で白く輝いている。あれれ、途中で引き返しかな。
ま、それでも、登り始める。急坂であえぐことクダンノゴトシ。約2時間で大菩薩峠。ちょっと北に上がったところからの眺めが素晴らしい!

大菩薩峠
大菩薩峠

このときは、コンビニのおにぎりとペットボトルの水で昼食をすませたが、体が冷える。
そうだ、数十年前のキャピングガス社製ガスコンロがあったよな、あれでインスタントラーメンを作れば、山頂で温かい昼食をとれるな、と。

数十年前のものだがまだまだ使える

というわけで、次は、奥多摩の御前山を目指すことに。奥多摩周遊道路の月夜見第2駐車場・標高1096メートルまで車、そこから小河内峠経由、御前山・標高1405メートルを往復。
12月初旬、快晴の日だったが、歩き始めると思いのほか風が強く(3ないし4メートルくらい?)、木々に当たって轟々と唸る。小高い峰はすべて横の巻道を使って体力温存。途中の、幅1メートルくらいで両側が切り立った崖になっている痩せ尾根(しかし絶妙の名付け、まさに痩せた尾根)で転落の恐怖感。風に吹かれて体力消耗、”ソーヤの丸デッコ”という名前の見晴らしのよい峰にさしかかったところで、御前山頂上は断念、その見晴らしのよい峰で昼食休憩して引き返すことに。

ソーヤの丸デッコから
ソーヤの丸デッコから

見晴らしがよい割には風当たりも強くなく、ガスコンロとアルミの携帯鍋兼食器でインスタントラーメンの昼食。

キャンピングガスのコンロでインスタントラーメン
キャンピングガスのコンロでインスタントラーメン

荷物は増えるし手間はかかるが、温かい汁物が食べられるのはありがたい。お腹と心の両満足。


12月になって、1000メートル以上の山は、自分の体力ではおぼつかない。次は、数100メートル程度の里山を考えますか。