英国の首相の辞任表明発言の奇妙さ

7月7日、英国の首相が辞任を表明した。NHKのニュースサイトによれば「EUからの離脱や、新型コロナウイルスのワクチンの接種などの実績を強調し「世界で最もすばらしい仕事を手放すことがどれほど残念かわかってほしい」」と述べたという。

EUからの離脱が、はたして業績になるかどうかはまだわからない。数年後には愚策とされるようになるかもしれない。ワクチン接種についても、世界に冠たる英国の官僚組織と国民皆保険制度NHSがあれば、首相が誰であろうと実行できただろう。

つまり、この英国首相には実績というほどのものはあるのかということだ。

にもかかわらず、首相の地位という「世界で最もすばらしい仕事」については未練タラタラなのだ。つまり、その地位について、ということは権力を手にして何をするかではなく、ただ単に権力を握りたかった、あるいはオモチャにしたかったということなのだろう、この人は。

そういう人物だから、一般民衆がコロナ規制下で窮屈な思いをしているときに、側近たちと繰り返しパーティをやらかして遊ぶというハレンチなことができたのだろう。

ダウニング街10番地のあの扉の前で辞任表明していたが、今を去る80年ほど前、そこにはウィンストン・チャーチルもいたのだった。彼の国の政治指導者の質の低下はおおうべくもない。

サハリン天然ガス準国有化に日本政府関係者が「いじわる」発言

7月初め、ロシア政府が、日本企業も参加し国内天然ガス需要の約9%を占めるサハリン天然ガス開発企業の形態を変更し、準国有化すると発表。

朝日新聞記事によれば、日本の首相がNATOの会合にまで顔を出して反ロシアの気勢を挙げたことへの反発もあるという。

この記事では、側面情報として、日本政府関係者が「いつやるか、いつやるか、ハラハラしていた。究極のいじわるだ」と述べたことも伝えている。

ふーん、「いじわる」ね。

いい悪いは別として、権謀術数渦巻く国際政治の只中で、対立する一方の陣営の首脳会合に雁首さらせば、相手方からなんらかの反応つまり制裁があるのは当然だろう。

この関係者、おそらく高級公務員なんだろうが、こういう状況を「いじわる」と表現するアタマの悪さ。救いようがない。ま、こういう連中が日本のエスタブリッシュメントであり、首相もその一員なのだから、よせばいいのに大西洋なかよしクラブのNATOの会合にまで、太平洋くんだりからノコノコ出かける愚を犯す。

ちなみに朝日新聞によれば、欧米の参加企業は損切りして撤退の意向だそう。