入院拒否の新型コロナ感染者に懲役刑を課すという発想がそもそも異常

国会で審議中の新型コロナ特別措置法案から、入院拒否した感染者に懲役刑を課す罰則を削除することを与党が認めたという。

削除は当たり前だが、それよりも、案の段階で感染者すなわち患者に懲役刑を課すことを入れたこと自体が異常なんだよ。なにも好き好んでコロナに感染したわけではあるまい。入院しろと言われたって色々事情のある人もいるんだろうし、そもそも現状では入先のベッドがなくて入院したくてもできない人もいるんだろう。そういう人たちに対して懲役刑で脅して言うことを聞かせようというこの上から目線、お前らシモジモはオレたち権力者の言うことを聞いて当然という傲慢さ。それでいて自分たちは夜遅くまで銀座のクラブでつるんで遊ぶというノーテンキ。

いったい、今の政府与党はなにを考えているんだ。いや、なにも考えちゃいないのか。

オリンピックというものは選手の夢を叶えるためにやるものなのですか

IOCの会長だか誰だかが、コロナで開催が危ぶまれているオリンピック東京大会について、選手の夢を叶えるためにも断固開催するという趣旨の発言をした。

だとしたら、選手たちとその関係者がお金を払って自腹で競技会をやってください。1兆6440億円もの大金(2020年12月大会組織委員会発表、その多くは税金)を使ってやるのはやめてください。人のふんどしで相撲を取るなよ。

米国政治の混迷

7日のトランプ支持者米国議会議事堂乱入事件。

朝のNHKBSで、米国ABCが乱入参加者の事後の表情と声を伝える。高揚感にあふれ正しいことをしたという満足感。英国BBCの報道、ドイツの連邦宰相メルケルが、1933年のナチスによる国会放火事件になぞらえている。ちょっと違うんじゃないかな。あちらは、事件当時、真犯人はナチスであるにも関わらず共産党員のせいにしたが、こちらは白昼堂々テレビカメラの前でやっている。

ロイター通信が伝える1月7日現在の大統領選開票結果。バイデン8128万票(51.3%)、トランプ7422万票(46.8%)。国論二分状態。両方が正義を主張するとなると、残されたのは力による解決、すなわち内戦への突入。トランプ支持者が高揚感に満ちているのはこれからの戦いに興奮しているからだろう。実際に始まれば、綺麗事ではすまず、この連中の大多数は後悔することになるのだろうが。

一連の報道映像を見ていて、既視感がある。そう、さしたる理由なく両陣営に分かれて戦闘場面を繰り広げるのを売り物にするハリウッド映画。乱入参加者は、そういう映画の一場面を再演しているつもりなのかもしれない。観客の存在を前提にした劇場型内戦。