コロナ・ワクチン予約―焦らせておいて「焦るな」という身勝手の極意

居住自治体のコロナ・ワクチン接種予約インターネット窓口、今朝5月24日午前9時25分にアクセス時の文句。「重要なお知らせ 5月24日(月)受付開始分のインターネット予約は予定数に達しました。コールセンター予約(0120-XXX-XXX(通話料無料))は継続中です。コールセンターには多数の入電があり大変繋がりにくい状況となっております。ワクチンは皆さまへの接種に必要な数量が確保されていますので、どうか焦らずにお待ちください。」

お金持ちや権力者は裏口からこっそりと優先接種、名もなき庶民には、芥川龍之介の『蜘蛛の糸』じゃないが、ほんの一筋、いや一滴かな、のワクチンしか用意できないくせに、「焦るな」もなにもないもんだよ。よくもそんな口がきけるな。最低でも「ご心配をおかけしており、まことに申し訳ありません。順次、皆さまへの接種に必要な数量が確保される見通しですので、今しばらくお待ちいただきますようお願い申し上げます。」くらいのことは言いなさいよ。たいした手間じゃあるまいに。もちろん、「今しばらく」の部分は、「何月何日までには」と時期を明示しなくっちゃ政府の「お言葉」としては失格だけどね。

防衛大臣の某が泥縄のコロナ・ワクチン接種を批判されて逆ギレ

なかなか進まぬコロナ・ワクチン接種に、失政批判を恐れた現政権が、自衛隊を動員した。ところが、泥縄の準備なものだから、当てずっぽうの番号を入れても予約できてしまうことが、おそらく防衛省内部からのリークで報道されるに至った。朝日新聞系のAERA dot.と毎日新聞が、実際にそのとおりやってみて、事実であることを確認した。報道機関として当然の行為だ。

これに、防衛大臣の某が「65歳以上の方の接種機会を奪い、貴重なワクチンそのものが無駄になりかねない極めて悪質な行為」と逆ギレ。悪質な行為をしたのは、そもそも、十分な量のワクチンを早期に確保することに失敗して不安と混乱をまねいた現政権だろう。国民を守れない政権・政党の無能大臣。

その昔々なら、大臣という正真正銘の権力者による上からの権力的恫喝ということで、世論沸騰、大臣罷免という運びになっただろうにね。今は昔の物語。

片山善博『知事の真贋』

文春新書 2020年11月刊。2月末に読む。書中、いくつか、記憶しておくべきことあり。以下に摘記。

一つ、コロナ禍中、大阪府の知事が、営業を続けるパチンコ店の店名を「私は公表しなければならないと義務づけられています」と言って公表したのは新型インフルエンザ等対策特別措置法(特措法)の解釈を誤っているという指摘。

特措法第45条は、非常事態宣言が出された時、知事は、営業自粛などの要請をして正当な理由がないのに応じなければ指示することができ、これらの要請や指示をした場合には「遅滞なく、その旨を公表しなければならない」と定めている。つまり、知事には、営業自粛要請のような私権の制限にかかわる重大決定をした時には直ちに公開することを義務づけているのであって、要請に従わなかった店名を公表することを義務づけているのではない。(73ページ)

ここから先は、自分の解釈。それを、大阪の知事は、まるで反対に解釈して、魔女狩りのごとくに店名を公表した。知事本人にリーガルマインドが欠如していて法律の解釈を誤ったのだとしても、副知事以下の府庁官僚機構にはちゃんと解釈できるスタッフもいただろうから、どうして適切な補佐・助言ができなかったのか。余計なことを言って不利益になるのは怖いという保身か、それとも、しようとしたが、知事には受けつけようとしない姿勢があったのか。

二つ、著者が自治省勤務時代、大臣になった梶山静六の秘書官になったときのこと。

「その梶山さんがいつも言っていたのは、「政治というものは、力の弱い人や声の小さい人に目配りすることが大切だ。強い連中は自分でドンドン前に進んでいくからほうっておけばいい。しかし、弱い人は手を引っ張ったり、背中を押してあげたりしなければ、自分だけでは前に進めない」ということでした。私は後年鳥取県で知事を務めるようになった時、この梶山さんの教えを拳々服膺して仕事に励みました。」(159頁)

なるほど。

わが国の保守エスタブリッシュメントは国益を破壊している

このたびのオリンピック組織委員会会長の”失言”が明らかにしたのは、二たこと目には「国益」を叫ぶ彼ら保守支配層が、じつは最大の国益破壊者なのだということだ。

眼の前で起こっていてちゃんと見れば誰にだって分かる両性平等の滔々たる流れに、ほんの1ミリも気づいていない無能無感覚。そこから発する時代錯誤の発言の数々。まるで日本が、女性差別あるいは人権無視がまかり通る野蛮国だと自ら宣伝しているようではないか。

こういう野蛮国宣伝が、どれだけ日本国民の評価すなわち国益を貶めているか。少しでも考えたことがあるのか、この連中は。また、こういう連中をいつまでものさばらせている面々。その中には、オリンピック協賛企業に名を連ねることでこの連中の企みに手を貸す大手メディアも含まれている。

老害オリンピック

第2次東京オリンピック主催者の組織委員会会長が辞める。遅すぎだよ。あの発言後、24時間以内に辞めさせなくちゃいけなかった。それができない今の日本政府。

いつまでも地位にしがみつく人間の言い草は決まっている。代わりがいないというもの。そんなこたあない。いくらでも代わりはいる。いないと思っているのは本人だけだ。本人が気が付かないのなら、猫の首に鈴を着ける役を誰かがやらなくちゃいけないんだが、今回その役は首相が務めるべきだった。それができない。いや、そんなこともできない。今の首相の判断力のなさ。暗澹たるものあり。

しかし老害だな。やめた人間も80歳超、代わりの人間も80歳超。組織の責任者としてまっとうな判断ができるのは、まあ、65歳、延ばして70歳まででしょう。それを80歳超!

米国民はミャンマーのクーデタを未熟な民主政治と笑うことができるか

昨年おこなわれた選挙後初の議会招集日当日、軍が与党指導者らを拘束したクーデタのこと。軍が掲げる理由は、選挙に不正があったから正すというもの。

これ、どこかで聞いたせりふですね。そう、米国の大統領選挙結果について、落選した前大統領がさかんに言いふらしていました。これに煽られた前大統領支持者の一部が議会に乱入して死者まで出た騒ぎは耳目に新しい。

こういう”前科”のある米国の人々は、民主政治が未熟だからクーデタが起きるんだと笑うことができるでしょうか。いや、できないですよね。もしやったら、それはそのまま彼らに返ってくることは疑いない。

入院拒否の新型コロナ感染者に懲役刑を課すという発想がそもそも異常

国会で審議中の新型コロナ特別措置法案から、入院拒否した感染者に懲役刑を課す罰則を削除することを与党が認めたという。

削除は当たり前だが、それよりも、案の段階で感染者すなわち患者に懲役刑を課すことを入れたこと自体が異常なんだよ。なにも好き好んでコロナに感染したわけではあるまい。入院しろと言われたって色々事情のある人もいるんだろうし、そもそも現状では入先のベッドがなくて入院したくてもできない人もいるんだろう。そういう人たちに対して懲役刑で脅して言うことを聞かせようというこの上から目線、お前らシモジモはオレたち権力者の言うことを聞いて当然という傲慢さ。それでいて自分たちは夜遅くまで銀座のクラブでつるんで遊ぶというノーテンキ。

いったい、今の政府与党はなにを考えているんだ。いや、なにも考えちゃいないのか。

米国政治の混迷

7日のトランプ支持者米国議会議事堂乱入事件。

朝のNHKBSで、米国ABCが乱入参加者の事後の表情と声を伝える。高揚感にあふれ正しいことをしたという満足感。英国BBCの報道、ドイツの連邦宰相メルケルが、1933年のナチスによる国会放火事件になぞらえている。ちょっと違うんじゃないかな。あちらは、事件当時、真犯人はナチスであるにも関わらず共産党員のせいにしたが、こちらは白昼堂々テレビカメラの前でやっている。

ロイター通信が伝える1月7日現在の大統領選開票結果。バイデン8128万票(51.3%)、トランプ7422万票(46.8%)。国論二分状態。両方が正義を主張するとなると、残されたのは力による解決、すなわち内戦への突入。トランプ支持者が高揚感に満ちているのはこれからの戦いに興奮しているからだろう。実際に始まれば、綺麗事ではすまず、この連中の大多数は後悔することになるのだろうが。

一連の報道映像を見ていて、既視感がある。そう、さしたる理由なく両陣営に分かれて戦闘場面を繰り広げるのを売り物にするハリウッド映画。乱入参加者は、そういう映画の一場面を再演しているつもりなのかもしれない。観客の存在を前提にした劇場型内戦。

晩秋のラジオ

今日、ラジオを聴いていて耳に残ったこと二つ。1134kHz文化放送。

一つ、学術会議議員任命問題。警備・公安畑の警察官僚出身官房副長官・杉田某が、件の候補者は反体制思想の持ち主だから認めるなという助言をし、それを現首相がなにも考えずに受け入れて拒否したのが真相だという話をゲストの誰だか知らない男性がしていた。ふーむ。権力小児病

二つ、天気情報を伝える女性アナウンサーが、きょうの様子を「晩秋の…」と形容していた。はてな、いつから、立冬過ぎても晩秋というようになったの。この人、この分だと小春日和もわからないな、きっと。でも、こういうのは他愛ないから目くじら立てる気にはならない。このあいだ、首相が辞めた時の会見を聞くか見るかして涙が出たなんていう勘違い歌手とちがってね。