397年ぶりの木星・土星大接近

今晩、1623年以来397年ぶりに、0.1度まで木星と土星が接近した。

もちろん、宇宙空間で二つの星が実際に接近したわけではない。地球から見て二つの星が重なるような位置に巡り合わせたということ。

ここ1、2ヶ月、夕方、南西の空に二つの星が近くにあるのを見てはいた。1週間ほどすっかり忘れていて、今日、虫の知らせか、夕暮れの空を眺めると木星しかない。あれれ、土星はどこかへ行ってしまった?

東京天文台暦計算室の「今日のほしぞら」では、天体図には木星しかない(ように見える)が「月と惑星の情報」には土星も見えているという表記。天文ソフトの「ステラリウム」でも、木星しか表示されていない。ただ、”木星”という漢字が奇妙な格好(後で気づいたが、二つの星が大接近したので漢字表示が重なってしまったというわけ)。双眼鏡を木星に向けると、ありゃ、すぐ近くに土星があるではありませんか。この近さなら、口径70mmの望遠鏡の同一視野に入るな。しばらく使っていなかった望遠鏡を持ち出して覗くと、おお、見事! 100倍ちょっとで、二つの星が同じ視野に入っている。木星の衛星も4つと土星の輪も見える。

見終わって調べると、なんと、表題のようなまことに稀な天文現象をそれとは知らずに体験していたというわけ。

占星術というものが予言したり説明したりすることに、自分の行動や感情を左右されるつもりはないけれど、この現象をそれはどう説明するのかな。近ごろの天変地異はこの惑星現象のしからしめる所だなんてね。

初冬の高尾山

初冬の一日、初めて高尾山に登った。

東京西部の小学生は遠足で、高尾山か天覧山に登る。昔はそうだった。今は知らない。どちらの山かは最寄りの鉄道路線による。中央線より北なら天覧山、南なら高尾山。筆者は幸か不幸か北だったので天覧山。で、今に至るまで、世界的に?名高い高尾山には登ったことがなかった。麓の鉄道・一般道・高速道路は何回となく通過したが。

今回は、ケーブルカー利用で、高尾山から小仏城山を経て景信山への、小規模ながらも縦走。

ここが、観光地としてたくさんの人を集める理由がよくわかった。第一に交通の便が良い。麓まで都心からの鉄道線路が来ている。ケーブルカーで標高470mまで登ることができて、599mの山頂まで100mちょっとの山登り気分を味わえる。第二に、山頂付近からの眺めが良い。東の都心方向、南から西にかけて相模湾と富士山。これで、人が集まらなかったら、逆にそのほうがおかしい。眺望は自然現象だから天に感謝するしかないが、交通の便の方は人為による。京王電鉄の環境整備。

山歩きと、その観光地としてのありようの観察と、二つながら面白い経験だった。

一つ苦言。ケーブルカーで、交通系電子マネーカードが、改札口ではもちろん券売機でも使えず、窓口に駅員さんを呼び出してしか使えないこと。世界的に有名な観光地を標榜するわりには整備不十分。日本語の読み書きができる自分でも戸惑ったくらいだから、外国の人はこまるのではないかな。せめて券売機で電子マネーが使えるようにする程度のことはたいした投資額ではないと思う。ケーブルカーの親会社は京王電鉄なのだろうが、利用客の快適性向上に力を入れている会社にしては、抜けていやしませんかというところ。