だから言わないことではない

こういう言い方は好きではないが、いたしかたない。

菅直人が、一国の最高責任者には不向きな男であることは、昨年9月の民主党代表選で明らかだった。

にもかかわらず、国民と国土を守るよりも、自己一身の利益を守ることを優先する新聞TV、それに踊らされた民主党の国会議員など、菅直人を民主党代表に押し上げ、日本国総理大臣にしてしまった愚か者たち。

ヘーゲルだったか、歴史は、高貴な人物が(高貴といっても生まれによるそれではないが)汚辱にまみれ、愚か者が大手をふるってはびこる悲劇というか喜劇というかに満ちていると述べていた。

大震災と大津波、原発事故という三重苦になす術もない菅直人。このどうしようもない無能な、しかも、我欲だけは3人前の人物が、この未曾有の難事に日本国家の最高責任者をやっている悲劇というか喜劇というか、それらのないまぜになったものに、はなはだ遺憾ながら、同時代の日本国民としてつきあわざるを得ない、これまた悲劇というか喜劇というか、なんというか……

だから言わないことではないのだが、しかし……

大震災の教訓

このたびの大震災の教訓はいろいろあるが、一つは、この国の国民と国土を守るのは、とどのつまり、自分たち、すなわち主権者である自分たち国民以外にはいない、ということだと思う。

まずい結果になると、「想定外」を連発して責任逃れをする科学者や電力会社、その言い逃れをオウム返しする政治家が守ってくれるわけではない。

壊れ方があの程度だったから、日本の技術はたいしたものだと、頓珍漢なことをうそぶいて平然としている経団連会長が守ってくれるわけではない。

これらの連中の宣伝機関と化した新聞やTVが守ってくれるわけではない。

いわんや、同盟国だというアメリカが守ってくれるわけではない。アメリカは、金の卵を産む限りの日本が大事なのであって、卵を産まなくなった日本には用はないのだ。

では、主権者であるわれら国民は、どのようにして自分たちと国土を守るのか。

至極簡単である。自分たちの生活は自分たちで守ろう、自分たちの国は自分たちで守ろうと思えばよいのだ。自分たちのことは自分たちで守る。この当たり前のことを思い、そのように振る舞えば、問題解決の第一歩を踏み出したのであり、道の半ばは越えたと言うべきだろう。

まず、手始めに、国民と国土を守ることよりも、アメリカと、そのアメリカのおこぼれをもらって栄耀栄華する自分を守ろうとしている新聞の購読を止めること、TVを見ないことにしたらいかが。きわめて重みのある第一歩だ。

日本の政治

大震災と福島原発事故が明らかにしたことは、結局のところ、この国の政府には、国民と国土を守る意志も能力もないということのように思われる。

福島原発の事故。「想定外」と東電、原子力推進論者は言うけれど、この事故のどこが「想定外」なのか。

わが国は地震国であり、津波の大被害も繰り返し受けてきた。それを考えれば、津波常襲地帯の太平洋岸に立地した原発の、それも非常電源関連装置を海岸すぐ近くに置くことの危険は明らかだった。

にもかかわらず、これを指導するでもなく放置する政府とは何ぞや。

2位の座を明け渡しとはいえ、依然として有数の経済大国であり、巨額の防衛関係費、災害対策費を国家予算として計上しながら、この災害時に、他国の軍隊の出動を頼まなくてはならない政府とは何ぞや。

「治にいて乱を忘れず」とは政治の要諦だが、この国の政治は、治にいて乱を忘れ去り、新聞・TV演出の愚にもつかない「政治とカネ」に踊っていた。

愚者の楽園。

第2次世界大戦敗北後、敵国アメリカの占領を経て、この国は、国民と国土は自国政府が守るという独立国としての当然の有りようを見失ってしまったかのようである。

クリントン女史天皇会見と宮内庁長官のダブルスタンダード

過日、アメリカ合衆国国務長官ヒラリー・ローダム・クリントン女史が来日した。5時間の滞在だったそうな。

この短時間に、女史は、日本国総理大臣菅直人閣下に、おそらく「焼きを入れた。」 「アンタ! なにやってんの!いくらアメリカの番犬役を忠実にやってるからといって、反原発の世論を勢いづかせるようなフクシマの不手際を繰り返すようだと、クビにするわよ!」

このあと、女史は、皇居で天皇皇后と会った。

うん? 彼女は国家元首? あるいはそれに匹敵する人?伝えられるところによると、女史は、「元大統領夫人として」面会を希望したのだそうだ。

ふーん。

1年ちょっと前、中国の国家副主席と天皇が会見した際、宮内庁長官羽毛田氏は、天皇会見の「3ヶ月ルール」を盾にとって異議をとなえた。いわく、「天皇陛下の健康上の理由もあり、外国の賓客との会見は相手が元首級を原則とし、3ヶ月前までに外務省を通じて宮内庁に申請し、調整の上…なのに、中国副主席はいきなりのことで、民主党、とりわけ小沢幹事長の横暴だ」というものであった。

羽毛田氏は、なぜ、今回のクリントン女史の会見については異議をとなえないのか。3ヶ月前に申請したものではあるまい。しかも、女史は元首でも何でもない、ただの外務大臣だ。元大統領夫人? そんな人物はこの世には掃いて捨てるほどいる。

つまりは、アメリカならよくて、中国はダメ、ということなのか。つまり、ダブルスタンダードだな。

こういうことをやるから、日本はアメリカの属国、本当の独立国ではないと思われるのだ。

遠い昔、はるかかなたのユーラシア大陸東方海上の島国で…

遠い昔、はるかかなたのユーラシア大陸東方海上の、島国であった話。

その国の人々は、善良で心やさしく、争いごとを好まないことで知られていた。

地震、津波、台風など天災の絶えないところであったが、どれだけ被害がひどかろうと、人々は、われ先に利をむさぼることなく、乏しい食料を分かちあう利他の美風を実践していた。

ところが、こんな理想的な国でも、悪知恵を働かす人はいるもので、人々が善良なことにつけ込んで、悪さのし放題であった。そのよこしまな心をもった連中は、高級官僚と財界幹部、あるいはその使い走りの政治家と御用学者、お先棒担ぎの電気紙芝居屋と瓦版屋と呼ばれていた。

これらのよこしまな心をもった連中は、海の彼方の、米が主食ではないがなぜか米の国と呼ばれる大国の支配層に、善良な国民が艱難辛苦して稼いだ富を貢ぎ、自分たちの支配を安堵してもらうことで権力の安泰を図っていた。

彼らの悪事は、たとえば、ジュール・ベルヌという、仏教が主要な宗教ではないがなぜか仏の国と呼ばれる国出身の空想科学小説作家が書いた「海底2万マイル」に登場する潜水艦ノーチラスの動力源らしきものを、発電に応用し、その仕組みが実は人間にとっては、あの「魔法使いの弟子」のかけた未熟な魔法のように、いったん動き出すと止められない危険なものであるにもかかわらず、絶対安全で危険ではないと言いつのり、やはり案の定暴走して困った事態になると、想定外でしたと言って誤魔化す、そのような悪事であった。

しかし、そのような悪事を目の前でやられても、その国の人々はなんと善良なことに、しかたがない、支配層の人たちも寝ないでがんばっているのだから、自分たちも我慢しようと言って、怒るでもなく嘆くでもなく、従容として、あのジュール・ベルヌの潜水艦の動力源らしきものが発散する、色もなく臭いもないが、ただちにではなく、じわじわと命を奪う得体の知れないものに身をまかせるのだった…

大震災から一か月

大震災から一か月。

警察庁発表では、亡くなった方1万3000余人、行方不明の方1万4余人。避難所などに避難している方14万人余。

亡くなった方の冥福をお祈りし、行方不明の方が見つかることを切に願う。 避難している方が落ち着いた生活を取り戻すことができるように。

合掌。

「桜」考

関東地方では、桜が満開である。

が、しかし、その桜は十中八九、ソメイヨシノである。いつ頃からか、少なくとも関東地方では、市街地にある桜は、大半がソメイヨシノになってしまった。

桜は、ソメイヨシノだけではない。山桜、大島桜、など種類が豊富だ。それぞれに特徴があり、美しい。だが、当今の人々の関心は、ソメイヨシノにのみ集中しているように見える。

ひとたび、流行りが起こると、猫もしゃくしもそれ一つになびくわが日本社会。ソメイヨシノが流行ると、ソメイヨシノばかり。震災で自粛となると、自粛自粛で夜も日も明けない。

いったい、何なんでしょうかね。これは。

東京都知事選

明日、東京都知事選の投票日。

棄権はしたくないので、投票所に出かけ、白票を投じようと思ったが、小沢一郎とでも書いてこようかと、今は考えている。

それにしても、下馬評では、あの老害氏が有力とか。

この世の中はいったい…

日本は強い国って、あんたらには言われたくない

TVのあのACとかの広告はどうにかならないのか。

まあ、見なけりゃいいのだが。

それにしても、スマップとか言うあのタレント連中も恥ずかしくないのかね。あんなせりふを言わされて。こんな時に、おそらく電通か博報堂だかの、広告代理店のスタッフの振り付け通りに口をぱくぱくやって、いったい何のつもりなのだろう。彼らはおそらく30歳代になっているのだろうが、その年になるまでどう生きてきたのか。

こんな時にこそ、事務所(ジャニーズ?)や広告代理店の振り付けではなく、自分の考えで行動したらどうなのだ。君たちは、自分の人生を生きているのか。

花見のススメ

自粛と称して、人間性の自然な発露を抑制しようとする、不自然な言動が横行している。

本当は小心者で強いものには弱いのに、弱いものには威張り散らすことで有名などこかの国の都知事なる人物が、首都の名勝での夜桜見物を不謹慎だとのたもうたそうな。

愚昧極まれり。

自粛自粛と世間が騒げば、当然のことながらお金の回りが悪くなり、浮き世の波間でかろうじて命をつないでいる人々はタツキの道を失うことになる。自粛だなんぞと綺麗ごとを言って済ましていられるのは、生活に困らない経済的強者だからだ。

それに、この大震災で図らずも落命された方々も、生き残った者どもが自粛自粛で首が回らなくなり生きる道が細くなることを、お喜びにはならないだろう。

花は愛でるべし。木々の芽吹きを喜ぶべし。そして、大震災の犠牲となられた方々の思いを思うべし。

ただし、屋外に長居は無用、放射能対策もお忘れなく。