7月7日、英国の首相が辞任を表明した。NHKのニュースサイトによれば「EUからの離脱や、新型コロナウイルスのワクチンの接種などの実績を強調し「世界で最もすばらしい仕事を手放すことがどれほど残念かわかってほしい」」と述べたという。
EUからの離脱が、はたして業績になるかどうかはまだわからない。数年後には愚策とされるようになるかもしれない。ワクチン接種についても、世界に冠たる英国の官僚組織と国民皆保険制度NHSがあれば、首相が誰であろうと実行できただろう。
つまり、この英国首相には実績というほどのものはあるのかということだ。
にもかかわらず、首相の地位という「世界で最もすばらしい仕事」については未練タラタラなのだ。つまり、その地位について、ということは権力を手にして何をするかではなく、ただ単に権力を握りたかった、あるいはオモチャにしたかったということなのだろう、この人は。
そういう人物だから、一般民衆がコロナ規制下で窮屈な思いをしているときに、側近たちと繰り返しパーティをやらかして遊ぶというハレンチなことができたのだろう。
ダウニング街10番地のあの扉の前で辞任表明していたが、今を去る80年ほど前、そこにはウィンストン・チャーチルもいたのだった。彼の国の政治指導者の質の低下はおおうべくもない。