中国が、GDPで日本を追い抜き、世界第2位になることが確実だ、と新聞社のネット配信記事が伝えている。
中国がGDP第2位になるのは当たり前のことだ。人口、歴史、自然条件、どれをとっても中国がそうなることを妨げるものはない。天然自然の勢いというものだろう。しかも、隣の国がGDP第2位になるほどに経済的に発展することは何かにつけてわが日本国にはプラスになることだ。
問題は、これを伝えるマスコミの姿勢だ。そもそも、こんな当たり前のことをわざわざ記事にすること自体、過剰に意識していることの現れだろう。その意識を探っていくと、おそらくこんなことになるのではないか。
なに? あの中国が日本を抜くって? 日本が負けちゃうんだ、そんなことぜったい許せない! と、まあ、こんな調子なのだろう。
そういえば、先日、家人が見ていたTVのニュース番組で、中国が話題になったとき、女性アナウンサーが、ワンセグ携帯から中国に関するアンケート参加を呼びかけていた。設問にいわく、「中国が怖いですか? 以下の4つから一つ選んでください。非常に怖い、怖い、そうでもない、怖くない」
「中国が怖い」?
こういうアンケートはアンケートではなく、中国恐怖、あるいは、中国嫌いのムードづくりへの誘導、勧誘だろう。こういう嫌中国のムードづくり番組を作るTV局の連中の心性も、上記GDP記事作成の新聞社の連中と大同小異というところなのだろう。
隣人というものは、好きになる対象でもなければ、嫌いになる対象でもない。ただ隣りにいる人というものなのだ。べたべたとくっつくこともなければ、四六時中喧嘩をすることもない。末永く、平穏無事の関係を続けられればそれでよい。「無事これ名馬」である。
国家の関係も右に同じ。
西の隣には、韓国、北朝鮮、中国、北の隣にはロシア、東の隣にはアメリカ。いずれ名だたる強者(つわもの)ぞろいだが、これもわが日本国の動かしがたい定めである。
これらの諸国と末永く、平穏無事の関係を続ける。無事こそ命。
そのためにはどうするか。
好きだ、嫌いだ、と思わないことだ。好きでも嫌いでもない、そういうものだと受け止めればよい。
そもそも、好き嫌いは、思い込みから始まる。思い込みとは、どうでもよいことを、あーでもないこーでもないと心の中でいじくり回しているからそうなるのだし、思い込めば思い込むほどこじれてくるものだ。
そう考えると、マスコミ連中の、嫌中国感情を助長するよう行為は、犯罪的だ。彼らのすることは、わが同胞の心の中に、嫌中国の種をまき、育て、ひいては隣人と事を構えさせることにつながりかねない危険をはらむ。
「将を射むと欲するなら、その馬を射よ」という。
近隣諸国と善隣友好の関係を続けようと欲するなら、隣人関係に仇をなすマスコミを射なければならない。
当ブログは、第1権力とも、第4権力ともいうマスコミの犯罪的行為を指摘していくことにいささかの躊躇もない。