読書の秋の10月初旬に特別整理期間と称して6日間休館する図書館

自分の住んでいる自治体の公立図書館は、数年前から株式会社図書館流通センターが運営するいわゆる公設民営だ。そうなるについて、市民の間ではもちろん、市議会でも議論らしい議論はなかった。ある日、突然、そうなった。議会は保守系無所属が大半を占め、市役所もそれを反映して眠ったような様子。先進的な試みを他に先んじておこなうような気概は感じられない”居眠り自治体”。教育文化支出節減だけはむやみに熱心で、図書館の公設民営化もその一環。市立小中学校の外壁塗装もとっくにするべき時期を過ぎているにもかかわらずやらない。塗装が剥げ落ちている。かわいそうに。それなのに、不要不急の道路建設には多額の税金を支出する今どき珍しい典型的な土建市政。

で、図書館。それまで、館内では飲食厳禁だったものが、堂々、コーヒーを紙コップで提供する自動販売機が置かれ、雑誌閲覧コーナーや受付カウンターのある階全体がコーヒーの匂いに包まれることになった。さすがに、これには苦情が出たのか、ドアの外のホールに移動したが。休館日が週1回月曜日で日曜日は午後6時閉館だったものが、休館日月1回月火2日間で日曜日も午後8時まで、貸出冊数上限が5冊から10冊になった。まあ、この程度はなにも公設民営にならなくとも実現できたことではある。

教育委員会直営時代から公設民営の現在まで、表題にした休館をやらかすユニークな図書館でもある。ユニークuniqueを手元のOxford LEARNER’S POCKET Dictionary第4版で引くと、1 being the only one of its kind 2 very special or unusualとある。全国くまなく調べたわけではないので、1についてはなんとも言えない。2は、まんまあてはまる。

ようやく暑さも和らぎ、本でも読もうかと心が動くこの季節に、なんでほぼ1週間も閉じるのかね。”市民の皆様へのサービスの向上”に役立つのかね、これが。蔵書整理ということは必要でしょう。それまでをやるなと言っているのではない。やるなら、時期というものを少しは考えたらいかがでしょうかと言っているのだ。でもあれかな、昨今の自粛・忖度ブームの風潮では、こういう異議申し立ては調和を乱す悪徳であって業務妨害だからというわけで警察を呼ばれちゃうのかな。こわい、こわい。