硫黄島の戦死者を政権延命の具にする菅直人

菅直人が、太平洋戦争の激戦地、硫黄島の戦死者の遺骨収集を促進すると称して、同島を訪れた。

この話は一見すると、戦後これまで放置されてきた1万人以上の戦死者の遺骨収集を、時の総理大臣がわざわざ現地まで出かけて促進する姿勢を示すという美談のように思われるかもしれないが、全く違う。

菅直人がなにを考えてこの行動に出たかは明らかである。それは、なにをするでもなく、ただ単に一日でも長く総理大臣の地位にとどまりたいという自己一身の利益のみを考えた利己心からの行動に過ぎない。

未収集の遺骨があるのは硫黄島に限ったことではないし、未だ未収集の遺骨が各地に残されているというのは知っている人なら知っている。

それをこの時期になぜかというのは、連戦連敗の選挙、失政に次ぐ失政のていたらくで、内閣がもたなくなるのを恐れ、世間の目をそらして少しでも長く総理大臣として生き延びようという浅ましい性根からのことなのだ。

硫黄島を選んだのもその浅知恵からだ。数年前に映画の舞台になりそれなりに世間に知られている、また、東京から比較的近いなどの理由からだろう。

まともな人間なら、一銭五厘のはがき一枚で応召され負け戦を戦った挙げ句に、未だに遺骨が戦地に残されたままの兵士の無念を想えば、もっと早く遺骨収集促進に乗り出しただろうし、第一、「俺がやる、俺がやる」と大きな声を出してマスコミを引き連れ目立つようにすることはないだろう。

まったく、菅直人という人間はどこまで腐っているのか。

繰り返す。こんな人物を民主党代表に選んだ民主党国会議員、地方議員、党員・サポーターの責任は重大である。