きょう、わが国では67回目の敗戦記念日。
この戦争で命を落とした幾千万の人を思い、戦場に赴くこともなく、空襲の中を逃げまどうこともなく生きてこられた自分のありがたさをかみしめるとともに、世界中で今もなお、戦火に倒れる人が絶えないことを悲しむ。
戦争はなぜ起こるのか。その原因は、煎じ詰めれば、戦争によってどんな悲惨なことが起こるのか、自分及び自分の周囲の人々がどれほど不幸な状況に陥るのかについての想像力の欠如に帰する。もしも、自分や自分の大切な人の頭の上に爆弾が雨あられのごとく落ちてくることを想像できるなら誰も戦争などを始めないだろう。
爆弾を落とす人も、その爆弾が破裂した先でなにが起こるかを精細に想像できるなら落とすことを躊躇するだろう。多くの人がそういうことを想像する力を持たなくなると、戦争は近い。
「汝の欲せざるところを人に施すなかれ」とは至言であるし、人々がこのことを不断に意識し続けるなら、「絶えてこの世に争いのおこるまじきものを」なのであるが、しかし……