映画「運び屋」と「戦略空軍命令」

台風15号が関東を直撃しそうな勢い。明日8日の夜半すぎから明後日の未明にかけて暴風雨圏に入りそう。

準新作108円クーポンが来たので近くのツタヤへ。行ったら、早くもクリント・イーストウッドの「運び屋」が準新作になっていた。6月中旬の発売だから3ヶ月足らずで新作落ち。人気がないのかな。こちらとしてはありがたいけれども。先日、目をつけておいた”ツタヤ発掘良品”の「戦略空軍命令」と合わせて2枚借りる。

さっそく、「戦略空軍命令」。ジェームズ・ステュワート、ジューン・アリスン主演、1955年公開。まあ、内容は全編これ、米国陸軍から独立まもない空軍の、それも長距離爆撃機による核攻撃を主任務とする戦略空軍のPR映画。あの、B-29の空襲の下を逃げまどった被災体験を持つ親の子としてはその名を聞くと心穏やかではいられない、対日戦略爆撃の最高指揮官カーティス・ルメイとおぼしき人物も出てくるが、ま、人間ドラマは付け足し。主役は、当時の主力戦略爆撃機B-36 とB-47。「戦争を防ぐ装備」とか「1機で日本を焼け野原にした破壊力相当の核爆弾を搭載可能」だとかのセリフが出てくる。米国納税者へのエクスキューズ。劇中、主人公がB-47で米本土から日本の横田基地を目指すも悪天候で嘉手納へ回る場面が出てきたりする。

米国空軍PR映画にどうのこうの言ってもしょうがないのだが、夫ジェームズ・ステュワートの任務の過酷さに、妻ジューン・アリスンが、カーティス・ルメイとおぼしき四つ星の大将に直接、面と向かって怒りを爆発させる場面など(いくら米国とはいえ現実にはありえない場面だが)こういう場面を設定しないと観客の米国民である納税者が納得しないのだろう。日本で、自衛隊PR映画を映画会社が作るとして、まず、間違いなく、自衛官の妻が、夫の上官の上官のそのまた上官であるような空将(というのかな)に面と向かって苦情を言う場面など設定しないだろう。今や世界の問題児となった感はあるがいちおう共和国である彼らの軍隊と、今なお天皇が存在する日本国の軍隊の違い。