米国政治の混迷

7日のトランプ支持者米国議会議事堂乱入事件。

朝のNHKBSで、米国ABCが乱入参加者の事後の表情と声を伝える。高揚感にあふれ正しいことをしたという満足感。英国BBCの報道、ドイツの連邦宰相メルケルが、1933年のナチスによる国会放火事件になぞらえている。ちょっと違うんじゃないかな。あちらは、事件当時、真犯人はナチスであるにも関わらず共産党員のせいにしたが、こちらは白昼堂々テレビカメラの前でやっている。

ロイター通信が伝える1月7日現在の大統領選開票結果。バイデン8128万票(51.3%)、トランプ7422万票(46.8%)。国論二分状態。両方が正義を主張するとなると、残されたのは力による解決、すなわち内戦への突入。トランプ支持者が高揚感に満ちているのはこれからの戦いに興奮しているからだろう。実際に始まれば、綺麗事ではすまず、この連中の大多数は後悔することになるのだろうが。

一連の報道映像を見ていて、既視感がある。そう、さしたる理由なく両陣営に分かれて戦闘場面を繰り広げるのを売り物にするハリウッド映画。乱入参加者は、そういう映画の一場面を再演しているつもりなのかもしれない。観客の存在を前提にした劇場型内戦。