リビアの民主化という嘘

リビアの内戦で反カダフィ勢力が優勢となり、カダフィ政権は崩壊したようだ。これを、新聞・TVは、リビアの民主化と称する。

民主化?

米国・フランス・イギリスなど欧米諸国政府による軍事介入がなければ反カダフィ勢力が勝利できたかどうかわからない。はたして外国軍隊の助けを借りて成立する政権が民主的でありうるのか。

米国・フランス・イギリスなどの介入国政府にしても、見返りを考えずに軍事介入に踏み切ったわけではあるまい。介入しカダフィ政権が倒れることで利益が得られるからそうしたのだろう。

その利益とは、石油だ。

リビア石油の確認埋蔵量は世界第9位。その石油が、欧米諸国政府(その背後にいる国際石油資本)の意のままにならないカダフィ政権の手に握られていたのではおもしろくない。埋蔵量4位のイラクではフセイン政権を倒して「民主化」を実現した。次はリビアだという訳なのだろう。

国際石油資本と欧米諸国政府の意に沿わない政権を、民主化名目で軍事介入して崩壊させる。これでは国際社会における主権平等など絵に描いた餅だ。力(軍事力)に勝る国の政府であれば、よその国の政権だろうと何であろうと、どうとでもできてしまう。

怖いことになったものだ。

彼らの次の標的はどこだろう。同じく世界第6位の石油埋蔵量を持ち、米国主導の世界秩序に逆らうチャベス率いるベネズエラ政府?