リビアの民主化という嘘

リビアの内戦で反カダフィ勢力が優勢となり、カダフィ政権は崩壊したようだ。これを、新聞・TVは、リビアの民主化と称する。

民主化?

米国・フランス・イギリスなど欧米諸国政府による軍事介入がなければ反カダフィ勢力が勝利できたかどうかわからない。はたして外国軍隊の助けを借りて成立する政権が民主的でありうるのか。

米国・フランス・イギリスなどの介入国政府にしても、見返りを考えずに軍事介入に踏み切ったわけではあるまい。介入しカダフィ政権が倒れることで利益が得られるからそうしたのだろう。

その利益とは、石油だ。

リビア石油の確認埋蔵量は世界第9位。その石油が、欧米諸国政府(その背後にいる国際石油資本)の意のままにならないカダフィ政権の手に握られていたのではおもしろくない。埋蔵量4位のイラクではフセイン政権を倒して「民主化」を実現した。次はリビアだという訳なのだろう。

国際石油資本と欧米諸国政府の意に沿わない政権を、民主化名目で軍事介入して崩壊させる。これでは国際社会における主権平等など絵に描いた餅だ。力(軍事力)に勝る国の政府であれば、よその国の政権だろうと何であろうと、どうとでもできてしまう。

怖いことになったものだ。

彼らの次の標的はどこだろう。同じく世界第6位の石油埋蔵量を持ち、米国主導の世界秩序に逆らうチャベス率いるベネズエラ政府?

東日本中部日本北海道大震災その10

20日日曜日、大震災10日目。

福島原発、敷地内に外部電源の引き込み完了。建屋がまだ壊れていない原子炉については冷却水の循環ポンプが動き始め、機能が回復したという発表。本当なら、希望が持てるが、建屋が水素爆発で壊れた1号機などは、はたして電源が回復しても機器が動くのか、予断を許さない。

18日、東電が、福島原発については廃炉も含めて検討すると発言。えっ? なに? 廃炉を前提していたのではなかったのか。非常識。

昨夜、菅が、官邸でアメリカの大使と会い、福島原発の現状について説明。国際社会の理解を得るためという。また、アメリカ。

福島原発の事故について、情報を隠していると世界中から疑われているからだが、官邸の記者会見などを、既成マスコミの記者クラブにだけ独占させ、フリーのジャーナリストや外国メディアに閉ざしてきたからこういうことになる。これについては、記者クラブ制度の上にあぐらをかいてきた既存の新聞・TVにも責任がある。

リビア情勢。17日に、国連安保理が、「ベンガジを含むリビア国内 において攻撃の脅威にさらされている市民および民間人居住地域を守るため、(加盟国は)すべての必要な措置を取ることができる」という文言を含む決議案を、米英など10カ国の賛成で採択した。中国、ロシア、ドイツ、インド、ブラジルは棄権していた。(CNNネット版) 市民を守るための介入と言えば聞こえはいいが、欧米諸国にとって厄介なカダフィ政権への内政干渉という側面もあるのではないか。

今日、官房長官が福島原発について、「客観的な状況として、再び稼働 できるような状況かどうかは、はっきりしている」「政府の立場では、手続きを踏まずに断定的なことを言うのは難し い」と発言。どうして、こんな曖昧な言い方しかできないのだ。国民が固唾をのんで見守っているというのに。まったく、これだから弁護士という輩は、白を黒と言いくるめるような三百代言と言われるのだ。廃炉に決まっているではないか。あんなもの。コンクリートで固めることも必要だろう。菅直人お得意の、怒声を発して東電の社長をドヤしつけるパフォーマンスでもやったらどうだ。

昨日、今日と計画停電は取りやめ。東京23区内は停電対象外だが、停電と非停電を分ける基準は何か。東電とその言い分を垂れ流す既成マスコミはいろいろ言っているが、つまりは、弱いものへのしわ寄せということだ。差別。