衆議院の予算委員会

野党第1党の幹事長をしている石原某という人物が、またぞろ、「政治とカネ」と擦り切れたレコードのように繰り返したようだ。

愚かなことだ。

小沢一郎氏の政治資金をめぐるバカ騒ぎは、事件でも何でもない。小沢氏が政治家として力を発揮されたら、自分たちの既得権が失われて困ることになる高級官僚(その前衛である検察)とその走狗である既成マスコミによる国民目眩ましの妖術だ。

それを知ってか知らずでか、石原某はしたり顔で「政治とカネ」と連呼する。官僚機構をコントロールし、国民生活の向上と国としての独立と安全を図らなければならない立場の国会議員が、官僚の書いた脚本通り演じてどうする。これでは国会議員はまるで操り人形ではないか。

こんなことをしていて喜ぶのは、政治家に不信感をもち、ひいては政治に無関心になる国民が増えることで漁夫の利を得る高級官僚だけだ。

ところで、石原某という人物は、都知事の長男だということだが、この人物からこの親を引いたら何が残るのか。(もっとも、この親にしても、某有名俳優の兄というのを引いたら何が残るのか、だが。)

数年前、この石原某が大臣をしていたとき、所管の道路公団の総裁の首を切るのにたいそう手間取ったことがあった。このこと一つとってもこの人物の政治家としての力量は大したことはないことがわかる。上司としての力量のあるなしが端的に現れるのが人事、なかんずく辞表を預かることだからである。

野党とはいえ第1党の幹事長というのは枢要なポストだろう。それがこの程度で勤まるのか。

まあ、この野党第1党がどうなろうとそれはかまわないのだが、ことは、議会制民主政治の根幹に関わる話だ。野党が、国民生活の向上と国の独立と安全をテーマに正々堂々論争を挑まず、官僚の振り付け通りに踊っていてどうする。

ちゃんとやりなさい。

[追記]

高級官僚・マスコミ連合軍がこれほどまでに小沢たたきに熱心なのは、事実上のわが国の宗主国である米国政府が、なんらかの形でお墨付きを与えているからなのだ、という説がある。そうかなあとも思えるが、確証はない。ただ、状況からして、米国の軍需産業、軍部など日米安保体制が今の状態であることから利益を得ている人々が、小沢氏のように「米軍のプレゼンスは第7艦隊だけでよい」と平然と言ってのける人物に日本政府の舵取りをしてもらいたくないと考え、わが国の「日米安保体制は錦の御旗」派になんらかのシグナルを送っていることは大いにありうることだ。

それにつけても、わが国は、敗戦このかた独立国としての矜持を失い、米国の51番目の州であるかのような状態を続けているとブログ主は思う。その一番の例証は首相の代替わりごとにまるで参勤交代のようにワシントン詣でをすることだ。
わが国が本当の独立国になるには、明治維新前後から敗戦に至る歴史についての国民的再認識が必要かと思う。